旅の相棒・CBR650Rは、無事に1か月点検を終えました。合わせてオイルとフィルターも交換し、ますます快調です。
さて、今回は涼しさを求めて山に行こうと思い、あちこち迷ったすえ吉野山にある寺院・金峯山寺(きんぷせんじ)を目的地にしました。
吉野山は「吉野の桜」で有名なところです。これまで桜の開花時期に電車で訪れたことはありますが、バイクで行くのは初めて。桜の咲いていない時期に行くのも初めてです。
■駐車場
麓から山道をグイグイ登って視界が開けると、下千本駐車場(吉野山観光駐車場)があります。広い駐車場ですが、バイク用のスペースは特に見当たりませんでした。自動車の邪魔にならないよう、空いているところに停めておく感じでしょうか?
それと、この時期なので空いていましたが、桜の開花時期とその前後は予約制になるそうです。詳しくは吉野山観光協会のサイトでご確認ください(バイクも予約できるのか分かりませんが・・・)。周辺道路の交通規制もあるそうです。
アクセスルートについて、詳しくはこちらのページからも。
〇奈良県観光公式サイト「なら旅ネット」
下千本駐車場から金峯山寺まではやや距離があり、歩いて15分ほどかかります。長い坂道を上ることになるので、バイク用のウェアやライディングブーツを身に着けている状態だと、結構いい運動になりそうです。
■金峯山寺
坂道を上り続けて、ようやく金峯山寺の北側の入口「仁王門」に到着。ところが仁王門は春から大修理が始まっているため通行禁止になっていて、坂を更に上って別の入口から境内へ入ることに。涼しさを求めて来たのですが、汗だくになりました・・・。
ちなみに仁王門の大修理は令和10年までかかる予定で、費用は約20億円(!)だそうです。
〇金峯山寺 公式HP
汗をかきつつ、ようやく本堂「蔵王堂」に到着。
来るたびに建物の巨大さに圧倒されますが、それもそのはず。木造建築としては世界最大級である東大寺の大仏殿に次ぐ大きさだそうです。
しかし、こちらは平地ではなく山の上。建築にあたった昔の人々の仕事に驚嘆させられます。駐車場から歩いてきただけで疲れ果てている自分が恥ずかしくなってきました。
蔵王堂の内部は撮影禁止でしたが、拝観料をおさめてお参りしました。
ご本尊は蔵王権現。秘仏のため普段は非公開ですが、時々ご開帳されています。
https://nara.jr-central.co.jp/campaign/kimpsenji/special/
次回のご開帳は、仁王門大修理の勧進を目的に今秋予定されているそう。一度見てみたいものです。
〇金峯山寺 公式HP
この金峯山寺は修験道(山伏の修行が思い浮かびます)の本山だそうです。創立者は修験道の開祖で、超人的な能力を持つ呪術者・役小角(えんのおづぬ)とされています。また、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されています。
興味はつきませんが、触れだすと脱線してきりがないので、今回はやめておきます・・・。
■「蛙飛行事」の提灯
蔵王堂の中は外より少し涼しく、汗も引いてきました。
金峯山寺のある通りには飲食店や土産物屋が連なっているので、少し散策してから昼食をとることにしました。
桜の時期ではないので、通りは予想以上に閑散としています。以前に訪れた際は花見客で混雑していたので、今回はのんびりと歩けました。
そんな中、多くの建物の軒先に同じ提灯が吊り下げられていることに気づきました。
例えばこちらのお寺。
「カエル ひこう こと」?
読み方すら分からなかったのですが、スマホで調べると「カエル とび ぎょうじ」でした。これは平安時代から続いている伝統行事だそうで、今年も訪れた数日前に執り行われたばかりでした。
この伝統行事、次のような伝説に基づいているそうです。
平安時代、蔵王権現を侮蔑した男に罰があたり、大きな鷲によって断崖絶壁に置き去りにされました。
大いに反省し改心した男は、崖の麓を通りかかった金峯山寺の高僧に助けを求めます。
高僧は男をカエルに変え、おかげで男は崖を降りることができました。
高僧は男を金峯山寺に連れ帰り、蔵王権現の前で、読経により人間の姿に戻したということです。
この、最後に人間に戻す場面を再現したのが、「蛙飛行事」だそうです。金峯山寺のYouTube公式チャンネルに動画が掲載されています。
今は新型コロナウイルス感染拡大防止のため祭りの内容を少し省略して実施しているそうですが、実際に見てみたいものです。
〇奈良県観光公式サイト「なら旅ネット」
■新たな名物「葛うどん」
散策を終え、昼食のため食堂に入りました。メニューを見ると「葛うどん」という品があります。前回吉野山に来た時に見かけた覚えがないのですが、今回は土産物屋さんや吉野名物の葛の専門店に並べられていて気になっていたので、食べてみることにしました。
葛うどんは麺の材料に葛が入っているそうで、普通のうどんより滑らかな食感でした。また、つゆにも葛が入っているそうで、とろみがありました。
味は美味しく、葛が入っているので健康に良さそうな気もします。「滑らかさ」と「とろみ」と言う特徴も加わって、普段とは違うものを食べられた満足感が得られました。
この「葛うどん」がいつ頃から出されるようになったのか、食堂のかたに聞いてみたところ、昔からあるというわけではなく数年前から出すお店が徐々に広がってきたものだそうです。美味しいので新たな名物として定着するといいですね。(既になってる?)
歴史と伝統を受け継ぐ金峯山寺と吉野山ですが、新たな魅力も生まれていました。