ゆっきいDAYS

関西各地へのツーリングやバイクのことなどを書いていきます

修験者の湧水と紅葉の山寺(大阪府 河内長野市)

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汲みに行ける天然の湧水は各地にありますが、修験道の開祖・役行者が飲んで修行の疲れを癒したと言われる水が、河内長野市の山中に湧いています。行って実際に飲んでみたところ、とても美味しい水でした。

■山奥の湧水

グーグルマップを眺めていて偶然目に留まったのが「行者湧水直売所」。行者、つまり修験者を名に冠す湧水ということは由緒あるものではないかと興味を持ち、取り合えず行ってみることにしました。

この湧水の水汲み場は、大阪と奈良を結ぶ国道310号沿いの山中にあります。この道は金剛山地を南北に貫いていて、標高が上がるにつれ肌寒さが増していきます。もう11月も中旬を過ぎたので寒さを感じて当たり前なのですが、今年は残暑が長引いたので、改めて秋を感じながら走りました。そろそろグローブも、メッシュグローブから春秋用の物に戻さなくては・・・。

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里山の風景の中を走ります

 

■行者湧水直売所

道沿いの民家が途切れて山の中をしばらく走ると、水汲み場に到着しました。

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杉林の中です

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入口にある看板

直売所のホームページは無さそうですが、自治体のページで紹介されていました。

河内長野市の観光案内ページ

www.city.kawachinagano.lg.jp

水汲み場には蛇口が4か所あって、水が流れっぱなしになっています。勢いもあって、水量はかなり豊富なようです。

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水汲み場

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ポリタンクやボトルを置くためか、緑色のマットが敷かれていました

蛇口ごとに車を直付けできるよう、駐車スペースが設けられていました。つまり湧水を大量に汲んで持ち帰ることを前提とした作りになっている訳で、人気のほどを伺わせます。

汲みにきたお客さんたちは皆、複数の大型ポリタンクや大量の空きペットボトルを持参していました。料金は500円で汲み放題のため、たくさん汲んで帰るほどお得になりますね。

バイクだと大量に持ち帰ることは難しいので、今回は持参した1リットルサイズのペットボトル1本だけに汲みました。早速その場で飲んでみたところ、美味しい!! ひんやり冷たくて、さっぱりとした風味です。美味しさが体に染み渡るような感覚もありました。大量に汲んで帰るお客さんたちがいることにも納得です。(※個人の感想です)

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おいしい水でした

この行者湧水の名ですが、帰宅後に調べてみたところ、修験道の開祖・役行者がこの近辺の山で修行をする際に飲んでいた、という言い伝えからきているようです。後世の修験者たちも、おそらく同じ様に飲んでいたのでしょうね。

〇日本地下水学会誌 第55巻 第4号

www.jstage.jst.go.jp

 

水汲み場の横の建物は、料金を支払う給水受付と、休憩所になっています。休憩所に入ってみると、もうストーブが焚かれていました。

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休憩所 水汲み場の受付もあります

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休憩所内 ストーブには火が着いていました

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休憩所のテーブル上には落書帳が

机に落書き帳があったのでパラパラめくってみると、「こんにゃくが美味しかった」という旨の書き込みが幾つもありました。食べてみたいと思ったのですが、この休憩所では売っていないので、向かいの農産物直売所に行ってみました。

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併設の農産物直売所

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美味しそうな地元の産物が色々ありました

農産物直売所では、主に地元で採れた野菜が売られていました。

お店のかたにこんにゃくについて尋ねてみたところ、今年1月、こんにゃくを作っていらっしゃった女性が高齢を理由に引退したため、販売を終了したとのことでした。食べてみたかったのですが、仕方ないですね・・・。

 

■紅葉の山寺・観心寺

行者湧水を汲んだ後、同じく国道310号線沿いで山道を少し下ったところにあるお寺を訪ねてみることにしました。バイクで通り過ぎた時、大勢の人が参拝している様子が見えたからです。

駐車場の隅にバイクを駐輪し山門の方に歩いていくと、案内板がありました。

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案内板

見ると、ここは観心寺という奈良時代役小角(=役行者)によって開かれたお寺とのことでした。偶然ですが、連続して役行者にゆかりのある場所を訪ねたことになりました。

拝観料を払って境内に入ると、紅葉が色づき始めていました。大勢の参拝客は、たぶん紅葉を見に来たのだと思います。

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観心寺

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紅葉が始まっていました

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本堂にお参りしました

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本堂側から 参拝客が大勢いました

役行者はここ金剛山地の南麓に位置する現在の奈良県御所市に生まれ、金剛山地で修行を始めて修験道を築き上げていったそうです。そうした歴史の恩恵で、この日は美味しい湧水と美しい紅葉に巡り合うことができました。

特に湧水は美味しかったので、これを機に、関西の湧水巡りを始めてみても面白いかな?と思いました。