入江 泰吉(いりえ たいきち)をご存じでしょうか。奈良・大和路の風景や行事を撮り続けた名写真家です。抒情あふれる作品を数多く残し、1992年に86歳で亡くなりました。奈良市には氏の全作品8万点を所蔵するという「入江泰吉記念 奈良市写真美術館」があり、以前から興味があったので今回訪れてみました。
■アクセス
美術館は、鹿で有名な奈良公園の南側に広がる、奈良市の高畑町という住宅街にあります。
美術館の駐車場は建物から少し離れたところにありましたが、自転車やバイクは美術館のエントランス前に停められていました。路線バスなど詳しいアクセスは美術館の公式サイトに掲載されています。
○公式サイト
美術館のすぐ隣には名刹・新薬師寺。以前に参拝したことがありますが、とても素敵なお寺さんです。新薬師寺を始め、この高畑町界隈は風情があって見どころも多く、個人的にとても好きなエリア。道が細く入り組んでいる所が多いので、徒歩での散策はもちろん自転車やバイクでの移動もおすすめです。
■瓦屋根の美術館
閑静な住宅街の細い道を進むと、美術館の前に出ました。大きな瓦屋根が特徴的な建物です。
背後には新薬師寺のお堂の屋根が見えます。周囲の風景と調和したデザインですね。
中に入るとガラス面が多い作りで、開放的な空間。この階はカフェがあるだけで、展示室は下の階でした。
■展示フロア
訪れた時は「没後30年記念 万葉大和路とみほとけ」という企画展が開催中でした。早速チケットを購入して入ったのですが、趣のある作品の連続で大変見ごたえがありました。
ここで作品を色々ご紹介したいところですが、ブログ記事に写真を掲載するのは権利上問題があると思いますので、ご興味ありましたら美術館公式サイトで紹介されている作品の一部をご覧いただければと思います。
○公式サイトのプロフィールページ
見ていると、じんわりと心に沁みてくるような味わいを感じる写真だと思います。何と言いますか、デジタル全盛となってきた現代へのアンチテーゼのようにも感じられました。今回作品を実物で鑑賞して、いにしえの歴史を持つ奈良の魅力を見事に表現した入江泰吉の情熱に心打たれました。素敵な美術館です。
この美術館のページを始め、入江泰吉のプロフィールは様々なサイトに掲載されています。ここではこちらもご紹介しておきます。
○フジフィルムスクエア公式サイト
展示室を出ると、庭に面したロビーになっていました。
ここにはパンフレットやポスターが色々と置かれていて、鑑賞した企画展のものもありました。これらならブログ記事に載せても良さそうですので貼り付けます。
ロビーの奥には図書室があり、自由に読めるようになっていました。入江泰吉や奈良に限らず、写真に関する書籍や写真集、図録などが新旧様々揃っていたので、思わずアレコレ開いて読んでしまいました。
ほか、ロビーにはちょっとしたミュージアムショップのようなスペースもあって、写真集や絵葉書、カレンダーなど関連グッズが販売されていました。
入館してから2時間ほど、たっぷり楽しめました。
入江泰吉の作品で大和路の風景を色々と見ることができたので、今後奈良を走る時には景色の見え方が自分の中で少し変わるかもしれません。走る楽しみがまた増えました。