ゆっきいDAYS

関西各地へのツーリングやバイクのことなどを書いていきます

樹齢1000年の巨木「野間の大けやき」(大阪府 能勢町)

新緑が美しく風も爽やかな季節となり、バイク乗りには嬉しい時期を迎えていますね。今回は、冬のあいだに地図で見つけた巨大な「けやき」の木を見に行きました。

 

■アクセス

この木は「野間の大けやき」と言って、大阪府能勢町を走る国道477号線の野間稲地交差点から西へすぐの所にあります。

けやきのある敷地は公園のように整備されていて、駐車場とバイク用駐輪エリアもありました。

 

■「野間の大けやき」

到着すると、意外にたくさんの人が訪れていました。バイクの駐輪スペースも満杯で空くまで少し待ちましたが、出入りが多いのでそれほど時間はかかりませんでした。

大けやき前にある駐輪スペース

それにしても大きい・・・。柵で囲まれているので近くまでは寄れないのですが、街なかの並木道に植えられているようなけやきと比べると、何倍もの大きさです。

幹も枝も極太です

案内板がありました

説明によると、この木はここにあった神社のご神木で、推定樹齢は1000年以上。大きさは高さ30m、幹周り14m、枝張り南北38m・東西42m。国の天然記念物に指定されているとのことです。神社は近くの別の神社に合祀されており、それ以降は地域住民の方々が中心となって保全活動が行われているとのことです。

植物なので季節や樹齢によって大きさが多少変化すると思いますが、とても大きく立派な姿で、そばで見ていると有難みを感じます。

長い注連縄(しめなわ)が巻かれています

休憩できるベンチもあります

 

■資料館

奥に建物があったので、行ってみました。

割と大きな建物です

行ってみると、この建物は「能勢町けやき資料館」でした。

和風の外観ですね

建物の内部

中では「野間の大けやき」に関する資料が展示されていて、お土産・飲み物等の販売もありました。一本のけやきのために資料館が作られるほど、地域の人も自治体も「野間の大けやき」を大切にしているのですね。

資料館は入館無料です。詳細はこちらをご覧ください。

○けやき資料館 公式HP

www.town.nose.osaka.jp

 

この資料館の横にもベンチがあり、皆けやきを見ながらのんびりしていました。ツーリングやドライブ途中の、ちょうど良い休憩スポットになっているようです。巨大なけやきの木を見て、自分もエネルギーをもらえた気がしました。

まほろば、大和路の風景を収めた美術館(奈良市)

 

入江 泰吉(いりえ たいきち)をご存じでしょうか。奈良・大和路の風景や行事を撮り続けた名写真家です。抒情あふれる作品を数多く残し、1992年に86歳で亡くなりました。奈良市には氏の全作品8万点を所蔵するという「入江泰吉記念 奈良市写真美術館」があり、以前から興味があったので今回訪れてみました。

 

■アクセス

美術館は、鹿で有名な奈良公園の南側に広がる、奈良市の高畑町という住宅街にあります。

美術館の駐車場は建物から少し離れたところにありましたが、自転車やバイクは美術館のエントランス前に停められていました。路線バスなど詳しいアクセスは美術館の公式サイトに掲載されています。

○公式サイト

naracmp.jp

美術館のすぐ隣には名刹・新薬師寺。以前に参拝したことがありますが、とても素敵なお寺さんです。新薬師寺を始め、この高畑町界隈は風情があって見どころも多く、個人的にとても好きなエリア。道が細く入り組んでいる所が多いので、徒歩での散策はもちろん自転車やバイクでの移動もおすすめです。

 

■瓦屋根の美術館

閑静な住宅街の細い道を進むと、美術館の前に出ました。大きな瓦屋根が特徴的な建物です。

黒川紀章氏の設計だそうです

美術館正面

背後には新薬師寺のお堂の屋根が見えます。周囲の風景と調和したデザインですね。

中に入るとガラス面が多い作りで、開放的な空間。この階はカフェがあるだけで、展示室は下の階でした。

奥のカフェはわりと繁盛していました

展示室は下の階に

展示室のあるフロア

 

■展示フロア

訪れた時は「没後30年記念 万葉大和路とみほとけ」という企画展が開催中でした。早速チケットを購入して入ったのですが、趣のある作品の連続で大変見ごたえがありました。

ここで作品を色々ご紹介したいところですが、ブログ記事に写真を掲載するのは権利上問題があると思いますので、ご興味ありましたら美術館公式サイトで紹介されている作品の一部をご覧いただければと思います。

○公式サイトのプロフィールページ

naracmp.jp

見ていると、じんわりと心に沁みてくるような味わいを感じる写真だと思います。何と言いますか、デジタル全盛となってきた現代へのアンチテーゼのようにも感じられました。今回作品を実物で鑑賞して、いにしえの歴史を持つ奈良の魅力を見事に表現した入江泰吉の情熱に心打たれました。素敵な美術館です。

 

この美術館のページを始め、入江泰吉のプロフィールは様々なサイトに掲載されています。ここではこちらもご紹介しておきます。

○フジフィルムスクエア公式サイト

fujifilmsquare.jp

 

展示室を出ると、庭に面したロビーになっていました。

暖かくなれば緑の景色になりそうです

ここにはパンフレットやポスターが色々と置かれていて、鑑賞した企画展のものもありました。これらならブログ記事に載せても良さそうですので貼り付けます。

「陽春大仏殿」

東大寺境内夕月」

ロビーの奥には図書室があり、自由に読めるようになっていました。入江泰吉や奈良に限らず、写真に関する書籍や写真集、図録などが新旧様々揃っていたので、思わずアレコレ開いて読んでしまいました。

L字型の部屋で、柱の後ろ側にも本棚が続いています

ほか、ロビーにはちょっとしたミュージアムショップのようなスペースもあって、写真集や絵葉書、カレンダーなど関連グッズが販売されていました。

入館してから2時間ほど、たっぷり楽しめました。

 

入江泰吉の作品で大和路の風景を色々と見ることができたので、今後奈良を走る時には景色の見え方が自分の中で少し変わるかもしれません。走る楽しみがまた増えました。

 

 

乳酸菌「ラブレ」が発見された京漬物「すぐき漬け」(京都市)

冬を迎えた京都では千枚漬けが店頭に並ぶのが風物詩。ですが京都にはもう一つ、冬のお漬物があるそうです。それは「すぐき漬け」。先日ニュースで紹介されていたのを見たのでちょっと調べてみたところ、カゴメ乳酸菌飲料「ラブレ」の乳酸菌はこの漬物から発見されたとのこと。ラブレは時々飲んでいるので興味が湧き、老舗の漬物屋さんにすぐき漬けを買いに行ってみました。

 

上賀茂神社ゆかりの漬物

地域の特産品「すぐき」(かぶの一種)を秋に収穫し、塩漬けにして乳酸発酵させたのが「すぐき漬け」。江戸時代に上賀茂神社神職の家などで作られるようになり、次第に周辺の農家にも広がったそうです。現在でも、すぐき漬けを生産する農家や販売する店は上賀茂神社周辺に集中しているとのことです。

農林水産省「うちの郷土料理」

www.maff.go.jp

今は上賀茂まで行かなくても通販で購入できますし、一部のデパ地下等でも扱われていますが、せっかくなので観光がてら現地へ行くことにしました。ネットで検索するとホームページにすぐき漬けの詳しい説明が載っていた「御すぐき處 京都なり田」さんが良さそうに思えたので、目的地に決定です。

 

■老舗の漬物屋さん

世界遺産上賀茂神社の大鳥居の前を通り過ぎた先に、なり田の本店がありました。この辺りはとても風情ある落ち着いた町並み。神職の家が立ち並ぶ「社家町」と呼ばれるエリアで、古くからの町並みを守るため京都市により景観保存地区に指定されているそうです。

きれいに整備されていますね

 

家の門や路地の前に橋が架けられています

なり田もその町並みの一部で、趣ある大きな日本建築の建物。近づいた時は「ホントにココが漬物屋?」と一瞬疑うほどで、「すぐき漬」と書かれた幟旗が無ければ老舗旅館のようです。

これが漬物屋さんとは・・・さすが京都です

大きな軒行灯(のきあんどん)

のれんには鈴の絵が

引き戸を開けて店内に入ると、歴史を感じる立派な造り。陳列されている商品数は少なく、上品なショールームといった感じです。

すっきりして落ち着いた和の空間

高く開放的な天井

休憩スペースもあります

目当てのすぐき漬けですが、店の真ん中にある八角形の冷蔵ショーケースに並べられていました。

お店の主役なので真ん中に置かれてますね

すぐき漬けは切られておらず、1個ずつ丸ごとポリ袋に入れられ、口をゴムで縛ってありました。値段ですが、1個あたりではなく100グラムあたり432円。なかなかのお値段です・・・。

例えばこちらで1個1534円

どれも千数百円なのでちょっと躊躇しましたが、せっかくなので1個買いました。なり田はすぐき漬けを作り続けて300年以上とのこと。きっと値段に見合った美味しさなのでしょう。並んでいた他の漬物もすごく美味しそうだったので、しば漬けと千枚漬けも購入。思わず贅沢してしまいました・・・。

ふと気づいたのですが、ショーケースの中の他の漬物は真空パックなのに、すぐき漬けだけポリ袋に入れられています。なぜ?と思っていたら、ショーケースの横に真空パックのすぐき漬けもありました。お店の方に違いを尋ねてみると、真空パックのすぐき漬けは密封された時点で発酵が止まるかわりに賞味期間が長く、ポリ袋のものは密封されていないため発酵が続いて熟成が進むので早めに食べた方が良い、とのことでした。お土産用や食べるまで日にちがあるようなら、真空パックの方がおすすめだそうです。

こちらが真空パック版。値段はポリ袋版と同じでした

 

この真空パック版が置かれている台の後ろの壁には、大きな鈴が飾られています。玄関先ののれんにも鈴が描かれていましたし、包装紙にも同じ鈴が印刷されていて気になったのですが、お店のホームページで説明されていました。

1.お客様が「すずなり」となってお店に来ていただけるように

2.「なり田」の「なり」と鈴の「鳴り」をかけて

という意味が込められているそうです。

大きな鈴がインテリアのアクセントになっています

お店のHPには、すぐき漬けの製法や歴史なども詳しく掲載されています。

〇京都なり田HP

www.suguki-narita.com

 

すぐき漬けを買いに来ただけなのですが、古い町並みや雰囲気たっぷりの店舗も楽しむことができて大満足でした。

 

■こんなところでも売ってました

帰る前に周辺の様子を見てみようと、少し走ってみました。

社家町を離れると普通の住宅街で、畑も点在している郊外の風景。そろそろ帰ろうかと思っていたら、道沿いの農業用ハウスになぜか「すぐき漬」の幟旗が立てられていました。

なり田から2~3分走ったところです

「すぐき漬」と書かれています

バイクを降りて見てみると、なんとすぐき漬けの自動販売機がありました!

ロッカー型の自販機

なり田に比べるとグッと手頃な値段です

ここは売れて空になっています

売られていたのは「新物」と「古漬」の2種類で、なり田と同じく大きさによって値段が違うようです。新物は昨秋に収穫されたすぐきを漬けた物でしょうね。

農業用ハウスの脇に自販機が置かれているということは、このハウスですぐきが栽培されている(いた)のでしょうか。残念ながらハウスの中は見えず、看板等も無かったので分かりませんでした。

ただ、幟旗には「京の上賀茂すぐき倶楽部」と書かれています。ネットで調べると、JA京都市上賀茂支部の組合員で作るグループだそう。倶楽部ではすぐきの栽培技術、漬け込み技術の向上を研究し販売促進を行っているとのことです。ホームページにはすぐき漬けを上賀茂神社に奉納する様子もありました。

〇「京賀茂野菜 上賀茂農家から伝えたいもの」HP 

kyokamoyasai.jp

JA組合員の組織なのでなり田などのお店とは別だと思いますが、生産者自らが伝統を守る努力をしているのですね。

 

■乳酸菌「ラブレ」

出典:農林水産省「うちの郷土料理」

家に帰って、すぐき漬けを夕食に食べてみました。個人の感想ですが、これは絶品です!言葉では表現しづらいのですが、程よい酸味とまろやかな旨味、柔らかな食感が口の中に広がります。ごはんが何杯でもおかわりできますし、お酒にも合う大人の味です。見た目は色の薄いたくあんのようですが、全く異なります。これがすぐきと塩と乳酸菌だけで作られているとは・・・。リピート確定です。

さて、この美味しさを生み出しているのが乳酸菌「ラブレ」。京都府立医科大学の名誉教授でルイ・パストゥール医学研究センター所長の故・岸田綱太郎氏が、京都の男性に長寿の人が多いという調査結果を知り、乳酸菌に秘密があるのではないかと考えて京都の様々な漬物を調べたところ、1992年にすぐき漬けから未知の乳酸菌であるラブレを発見したそうです。研究の結果、このラブレは人の腸内環境を改善することが分かり、乳酸菌飲料サプリメントなどに利用されています。

ちなみにラブレは通称で、正式名は"Lactobacillus brevis subsp. coagulans"と言うそうです。

カゴメ公式HP

www.kagome.co.jp

 

すぐきは希少で珍重されていたことから江戸幕府の命令で他の地域へ持ち出すことが禁じられていたそうで、ずっと上賀茂神社の周辺で作られてきた漬物です。つまりこの地域に存在した乳酸菌で作られてきたわけで、まさに地域の味と言えます。

すぐき漬けの店は他にもあるので、次回は別の店でも購入して食べ比べしてみたいですね。それと、なり田で買った千枚漬けとしば漬けも非常に美味しいものでした。

塩分の取り過ぎにならないよう、注意しながら楽しみたいと思います。

賀茂川

大迫力!千里川土手で着陸する旅客機を間近に(伊丹空港周辺)

 


伊丹空港大阪国際空港)のすぐ近くに、着陸する旅客機を間近に見られるスポットがあるとツイッターで知りました。自分は航空ファンと言えるほどではありませんが飛行機は好きなほうなので、見物に行ってみました。

 

■滑走路のすぐ近く

複数のツイートの写真からすると、伊丹空港の滑走路の南端すぐの所に川の土手があって、そこで着陸してくる旅客機を間近に見られるようです。グーグルマップで確認すると、本当に滑走路のすぐ近くですね。

近くにコインパーキングはありましたがバイクの駐輪場は見当たらなかったので、少し離れたところにバイクを停め、そこから歩いて訪れました。鉄道は阪急の曽根駅が最寄りですが、駅からは結構遠い場所です。

 

■すごい迫力です!

旅客機が見られるのは千里川の土手。橋を渡って滑走路に近いところへ向かいます。

小さな橋にしては凝った造りに思えます

滑走路は写真の左側(茂みの向こう)です

滑走路側の土手の道

橋を渡って土手の道を進みます。周りには同じように歩く人々が結構いて、目的はみな同じようです。すると、轟音とともに旅客機が目の前に現れました!

まだ心の準備ができていませんでした

慌ててスマホを取り出し撮影

旅客機が地面をかすめる様に横切っていきました。飛行高度の低さにビックリで、まさに着陸の直前。こんな危険そうな場所に道があるとは・・・。

滑走路の端に着くと、大勢の人が見物に来ていました。やはり人気スポットのようですね。

写真の左側が滑走路

いま着陸した旅客機はもう豆粒です

訪れている人たちの客層(?)はバラバラですが、子ども連れやカップルが多い印象です。自分のようにネットでこの場所のことを知ったのでしょうか。

来た道を振り返るとこんな感じで大勢の人が

川の向こう側にはカメラの三脚が並んでいます

意外と沢山の人が来ているんだなぁと思っていたら、もう次の旅客機が。

来ました!

ぐんぐん近づいてきます

真っ白な機体 JALです

すさまじい轟音!

スマホのカメラでは捉えきれません

ボーイング737-800でした

あっと言う間に通り過ぎていきます

美しい機体ですね

いやースゴイ迫力です。轟音の中、旅客機が真上を通り過ぎていきました。こんな場所は初めてです。しかも数分おきにに様々な旅客機が着陸してきます。

ANAのDHC8-Q400でしょうか

比較的小型のプロペラ機は、この地点での高度がジェット機より高かったです。位置も少し遠く、着陸に使う滑走路が異なるようでした。

小型の白いジェット機が来ました

ジェイエアです

エンブラエル170でしょうか

掲載した写真以外にもどんどん着陸してきて、周りの人たちも大喜び。特に子供たちが大興奮でした。

この日は午後に訪れたので中型、小型の機種が多かったのですが、777や787、A350など大型機の運用が多い午前中の早めの時間帯にも来てみたくなりました。

■伊丹スカイパークに移動

ここ伊丹空港周辺にはもう一か所、飛行機を間近に見られる場所があります。伊丹スカイパークです。滑走路沿いにある大きな公園で、地図で見つけて以来行ってみたいと思っていた場所。ここからすぐ近くなので行ってみました。

ここは駐車場も駐輪場もあるので、駐輪場にバイクを停めました。

駐輪場にはバイクもたくさん停めてありました

アクセスなど公園の詳細は公式サイトでどうぞ。

 

〇伊丹スカイパーク公式サイト

www.itami-skypark.com

 

この公園は伊丹空港の西側、滑走路に隣接する場所にあります。先ほどの土手は旅客機を真下から見られましたが、この公園は真横から見ることができます。

滑走路に沿って作られた細長い公園です

遊具も複数あります

離陸するANA

滑走路に隣接しているため見晴らしが非常に良く、ひっきりなしに離着陸する旅客機を本当に間近で見られます。遊具もたくさんあって、子ども連れのご家族には大変おすすめの公園です。実際、ファミリー層が多いのですが、やはり航空ファンも大勢来ていました。

この「大空の丘」が特に見晴らしの良い場所でした

ターミナルビル等も良く見えます

ちょうど一機、離陸するところでした

ANA機ですが見たことのない塗装です

何かのイラストが描かれているようです

これは・・・炭治郎?

とても見晴らしの良い「大空の丘」には、望遠レンズ付きカメラを持った人が大勢集まっていました。行ってみると、ちょうど白い機体の旅客機が離陸するところ。尾翼からANAと分かるのですが、ボディには見たことのない塗装が施されています。最初は何だか分からなかったのですが、よく見ると「鬼滅の刃」のイラストでした。ANAはこういうラッピングの企画が多い印象で、面白いですよね。


ANA公式サイト

www.ana.co.jp


千里川土手も伊丹スカイパークも、予想以上に迫力ある旅客機の姿を楽しめました。そういえば今月から始まったNHKの朝ドラ「舞いあがれ!」は、ヒロインがパイロットを目指す物語。航空関係の話題が増えそうですね。

12か月点検 チェーンを金色のRKに交換

ホンダドリームから12か月点検の案内が届きました。忙しくてほとんど乗れておらず走行距離は全然伸びていませんが、法定点検ということもあり安全のためお願いしました。

今回の点検ではオイルとオイルフィルターを交換してもらったのですが、もう一つ交換したのがチェーン。ほとんど乗っていないのでチェーンのメンテナンスもしておらず、早くも錆びが出始め・・・。そこで思い切って交換を決意したのです。

こちらが交換前の純正チェーンの状態。

錆びつき始めたチェーン

 

走行には問題ないのですが・・・

 

外装ほか各パーツはキレイな状態なので、チェーンだけ劣化しているように見えてしまい、どうにも気になります。

そんな時に届いた12か月点検の案内状に、「RKのチェーンが20%オフ」と書かれているではありませんか!

これまで乗っていたバイクもドレスアップ目的でチェーンを金色の物に換えていました。ちょうど錆が気になりだしたタイミングだったので、20%オフに背中を押されるかたちで(かなり予定より早めですが)交換することにしたのです。

RK JAPANのホームページで調べると、CBR650Rに対応していたのはRXWと判明。ホンダドリームに取り寄せをお願いしました。

 

〇RK JAPAN公式ページ(RXWシリーズ)

mc.rk-japan.co.jp

 

選んだ色はもちろん金色ですが、「電着金(ED.GOLD)」と言う名前です。公式ページには「錆対策のためプレートのみならず、大気に触れる全構成部品に表面処理を施している」と書かれているので、今回の交換目的にうってつけでした。

交換後のチェーンがこちらです。

差し色として目立つ金色です

 

走ったあとなので少し汚れています

 

走行距離が伸びていないことから、RKに交換しても走行フィール等に特段の変化はないのですが、新品のチェーンと言うことで気分的に走りの楽しさがアップしました。

またCBR650Rはエンジンやエキパイ、フロントフォークなどに金色が使われているので、チェーンの金色も一連のデザインような感じがして自己満足してしまいました。

 

 

針テラスに行ってみたら本当にバイクが集結していました(奈良市)

関西に引っ越してくる前から、道の駅「針テラス」には沢山のバイク乗りが集まってくると言う話は聞いたことがありました。そこで、実際どんな感じなのか日曜日に行ってみたところ、予想以上に凄い数のバイクで驚きました。

 

■アクセス

針テラスは国道25号(名阪国道)の針インターに隣接しています。

「針テラス」と言う名前の意味が気になっていたので調べたところ、「針」は所在地が奈良県奈良市針町だからで、「テラス」は正式には「T・R・S」と表記され、これは「Tea time Resort Station」の頭文字だそうです。

〇針テラス公式ページ

hari-trs.com

 

■数多くのバイクとバイク乗り

この日(2022年6月12日)は天気が良く、名阪国道にはバイクが多く走っていました。針インターで一般道に降りる時には、自分と同じく針テラスに向かうバイクが数台。また、反対車線には名阪国道に戻ろうとするバイクも数台あり、まるでバイク関連のイベント会場に近づいた時のような感じです。

針テラスに入ると道の駅としては非常に広い駐車場が広がっているのですが、左手の歩道沿いには、ずらっとバイクが停められていました。

到着したのは15時ごろです

 

本来のバイク駐輪エリアは道の駅のメインの建物のすぐ前のようですが、そこが満車状態のため、停められたバイクの列が駐車場入り口付近まで延びてきているみたいです。

自分も、列の中ほどの空いたスペースにCBR650Rを停め、建物の方へ向かいました。

バイク駐輪エリアには大量のバイクが

 

駐輪エリアから溢れて駐車エリアにも停められています


建物の前の駐輪エリアに着くとバイクがびっしり!まるで1980年代バイクブームの頃にタイムスリップしたかのような光景が広がっています。車種も多種多様で、何から見れば良いのか迷ってしまうほどです。同じくライダーやバイカーのスタイルも多種多様。でも共通していたのは、到着したり出発するバイクがゆっくり目の前を通る時、その場にいるほぼ全員が一斉にそのバイクを目で追うこと。停められている色々なバイクを眺めるのも楽しいですが、走っている様子は、乗り手とバイクが一体となった姿をエンジン音・排気音付きで見られるので、やっぱり見ちゃいますよね。ここではその人数が異様に多いので、何だか連帯感のような気持ちを感じました。

プライバシーに配慮して、引きの写真のみ掲載しています

 

自分は関東から関西に引っ越してきたのですが、関東でここまで大量のバイクが集結するスポットはあるでしょうか?思いつくのは箱根ターンパイクの大観山ドライブイン(神奈川県箱根町)か、道志みち沿いの「道の駅どうし」(山梨県道志村)です。どちらも以前よく行っていて、天気の良い休日にはいつも沢山のバイクが集まってきていました。しかし台数(≒ライダー数)はこの日の針テラスの方が多いように思います。こちらの方が駐輪スペースが広いことと、様々なツーリングスポットにアクセスできるバイパス沿いと言う立地から、便利で集まりやすいのかな、と。

賑やかでみんな楽しそうでした

 

自分もこの日は針テラスの訪問以外に、やまなみロード(奧宇陀広域農道)を走ることが目的でした。

忙しくてバイクでツーリングに出かける機会をなかなか作れないのですが、これからは自分もバイク乗りの端くれとして針テラスを便利に利用させてもらおうと思います。

 

天河大辨財天社と、五代友厚ゆかりの小学校(奈良県 天川村)

強力なパワースポットと言われる神社・天河大辨財天社にお参りしようと天川村を訪れたのですが、参拝後、神社の少し先で昔の木造校舎の小学校を見つけました。この小学校、「東の渋沢、西の五代」と称された明治時代の実業家・五代友厚にゆかりがあるそうです。吉野の山奥で、五代の功績の一端に触れました。

 

天川村

山奥にある天川村へは、麓の街から国道309号を登っていきました。奈良の吉野地方から和歌山の熊野地方にかけては、山奥ながら観光地という側面もあり、主要道路は交通量が割と多いです。観光バスや大型トラックが前にいて、走行ペースが遅くなることもしばしば。のんびり行きたいですね。途中にある道の駅「吉野路 黒滝」(黒滝村)は、ちょうどいい休憩ポイントでした。

天川村に入り、国道309号から県道53号へと進むと、程なく天河大辨財天社に到着です。

 

県道53号沿いにある朱塗りの橋を渡って神社の方へ

 

■天河大辨財天社

天河大辨財天社は、飛鳥時代修験道の開祖・役行者大峰山系の弥山の神を祀ったことが始まりのようです。現在の地に社殿を建てたのは天武天皇とされ、平安時代には弘法大師空海高野山を開く前に修行の拠点としていたそうです。

この日は境内の駐車場がすいていました

主祭神市杵島姫命(いちきしま ひめの みこと)で、弁財天(辨財天)としても信仰される水の神、芸能の神です。芸能人や芸能関係者の参拝も多いそうですね。

〇天河大辨財天社 公式HP

www.tenkawa-jinja.or.jp

神社の正面側

 

本殿は境内の高台にあります

 

拝殿の中は撮影禁止でした

本殿を拝するための拝殿は、神楽殿と一体化している珍しい形式。拝む時に鳴らす鈴は、鈴が三角形に三つ連なった「五十鈴」と言う独特なものでした。

 

霊験あらたかな吉野、熊野、高野山といった霊場に囲まれ、創建の経緯や深淵な山奥に鎮座することからか、近年は「パワースポット」ともされ人気のようです。この日も、混んでいるわけではないのですが参拝客がひっきりなしに訪れていました。

個人的には、小説をもとに映画化・ドラマ化された「天河伝説殺人事件」の印象のほうが強く残っています。

境内はそんなに広くはないので、あちこち見て回ってもそれほど時間はかかりませんでした。

境内で特にいいなと思ったのは、手水舎のある池です。

境内に入ってすぐのところにあります

 

写真では分かりにくいですが、とても綺麗な水でした

とても小さな池ですが、澄んだ水が湧き、綺麗で涼しげ。苔むした岩々など、純和風の雰囲気でした。

神職のかたにうかがったところ、この池の水は山から湧水を引いてきているとのこと。道理で綺麗なわけです。池の水は小川となって、境内の外に流れ出ていました。

この神社についてのブログ記事は既に膨大な数があると思いますが、この池を気に入って記事に書く人はあんまりいないと思いますので、今回ご紹介してみました。

 

■県道53号を先へ

参拝を終わって次はどうしようかと考えたのですが、神社に至る県道53号が空いていて非常に走りやすく、川(天ノ川)沿いの山間の景色も良かったので、国道309号には戻らず、もう少し先まで走ってみることにしました。

県道53号沿いの天ノ川

このまま天ノ川沿いに東へ行けば国道163号(観光ルートに使われるメジャーな道です)に出られるようなので、それを使って麓に降りようという目論見です。

しかし進んでいくと、すれ違い困難な細い道が断続的に続くようになりました。

写真を撮っていないので代わりにGoogleマップストリートビューを貼っておきますが、「走りやすく景色が良い」と言う状況ではなくなってしまいました・・・。

これでは走る理由が薄れてしまうので、元来た道を戻って帰ることにしました。

 

■山奥の木造校舎

集落に入り、道が広くなりました

ちょうど集落が現れて道が広くなったので、方向転換のため道沿いの広いスペースに入らせてもらったのですが、その場所で木造の大きな建物が目に留まりました。

平屋の大きな建物が

校庭のようなスペースもありますし、どうやら建物は学校の校舎のようです。でもバーベキューやソフトクリームののぼりが立っていますし、校庭?に車が数台停まっていたりします。これは廃校を利用した何かの施設かもしれないと思い、少し寄ってみることにしました。

「てんかわ天和の里」と書かれています

 

建物が2棟、L字型に配置されています

正面玄関らしき所は開いておらず、入口は別に設けられていました。「バーベキュー場 入口」とされています。

手書きの看板が

入口が開放されていたので、中にお邪魔してみました。するとやはり、この建物は学校の校舎でした。

廊下沿いに教室が並んでいます

 

もう一方の校舎も同様です

 

受付がありました

中に入ったのですが人の気配が無く、大声で「ごめんくださーい!」と呼び掛けても、誰もいません・・・。受付の部屋に入ると、外へ出られるようになっていたので先へ進んでみました。

 

川沿いに降りられます

外へ出ると、川沿いにバーベキューサイトが並んでました。サイトは真新しく、木造校舎とは対照的です。

 

設備も整っていました

 

自然に囲まれてバーベキューできますね

サイトにはお客さんが二組いらっしゃって、バーベキューを楽しんでいました。その近くに施設のかたもいらっしゃいましたので、校舎の見学をお願いし、OKをいただきました。その時、「五代友厚の資料もあるから見ていってね」とのこと。

 

五代友厚と言えば元薩摩藩士で明治時代の実業家。特に大阪の経済発展に大きく貢献したとされています。朝ドラ「あさが来た」(2015-2016年放送)と大河ドラマ「青天を衝け」(2021年放送)では物語の重要な役どころとして登場し、ともにディーン・フジオカが演じた人物。吉野の山奥の学校で五代の名を聞くとは意外です。

ともかく、校舎に戻りました。

 

■てんかわ天和の里

さて、そもそもですが、一体ここは何なのか。のぼりに書かれていた「てんかわ天和の里」をスマホで検索すると、公式HPがありました。

2002年に廃校となった旧「天川村立和田小学校」の校舎を利用した交流施設で、バーベキューや川遊び、木工体験や郷土料理体験など、地域の自然と文化を活かした様々なアクティビティーが用意されている施設とのことでした。

 

〇てんかわ天和の里 公式HP
tenwanosato.com

 

平屋建ての木造校舎を見学させていただけるのも、自分にとっては貴重な体験です。ありがとうございました。

今回は偶然訪れて運よく開いていましたが、訪問されるかたは事前に開館日程などを問い合わせておいたほうが良さそうに思います。

 

教室が並んでいます

 

一部の教室には、児童用の机と椅子も置かれていました

色々な物が残されています

 

山奥の小学校ですね

 

理科室には標本などもそのまま置いてありました

 

こちらは「講堂」


校舎内の教室は、廃校前の様子が残されているものと、体験などで使用する部屋になっているものがあり、いずれも興味深く拝見させていただきました。また、どの部屋も掃除されていて、大切に維持、管理されている印象を受けました。

それにしても、木造校舎というのはノスタルジーを強く感じますね。

 

五代友厚との関わり

校舎の一番奥に、「五代友厚図書館」との看板がありました。施設のかたが勧めてくれたのは、ここですね。

廊下の突き当りです

 

畳の部屋でした

 

部屋の一角に、のぼりと本棚が

 

五代友厚の関連書籍が並んでいます

部屋の中の本棚の一つが「五代友厚図書館」とされていて、五代に関する書籍などが収められていました。手作り感のある「図書館」で、なんだか和みました。

五代友厚に関しては、様々なサイトで紹介されています。

 

国立国会図書館 公式HP

www.ndl.go.jp

 

大阪商工会議所 公式HP

www.osaka.cci.or.jp

 

しかし、なぜこの山奥の小学校で五代友厚が取り上げられているのでしょうか。その理由は、別の教室に示されていました。

「5年教室」

 

色々な資料が展示されていました。

 

五代友厚の写真です

 

五代友厚と天和鉱山」とあります

写真横の説明文には、この場所・天川村和田地区と五代とのつながりが記されていました。

ちなみに、和田地区と天河大辨財天社の位置関係は、このようになります。赤い線の内側が和田地区ですね。

ここには江戸時代から「天和鉱山(天和銅山)」があり、幕府の管理のもと銅が採掘されていたそうで、明治時代に五代が鉱山の経営に関わるようになり、海外の進んだ技術が導入されるなどして採掘量が増大したとのことです。

五代は26もの鉱山の経営に関わって「鉱山王」と呼ばれていましたが、この天和鉱山は五代が手掛けた最初の鉱山になります。

天和鉱山の発展にともない地域の人口は増え、最盛期(明治初期)には約3000人に達し、飲食店なども多数できて鉱山町として大いに賑わったそうです。

五代は住民のこどものため、財を投じてここに学校を設立する支援をしたとのことで、その学校が天川村立和田小学校の前身となっているそうです。

この木造校舎は昭和17年(1942年)に建てられたもので、地元の木材を使った総ヒノキ造りとのことです。

「昭和初期の本坑口付近」 左の写真は鉱山の精錬施設でしょうか

 

創立百周年記念の様子

天和鉱山は次第に産出量が減って衰退していき、昭和30年(1955年)に廃鉱となりました。最後の所有者は三菱マテリアルのようですね。

和田小学校は昭和47年(1972年)に別の小学校と統合され、校舎はそのままで名前が天川西小学校に変わります。そして平成14年(2002年)に別の小学校との統合されたことから、廃校になりました。

そして廃校後の校舎は、地元の有志によって交流拠点「てんかわ天和の里」として生まれ変わり、2016年から運営されています。

 

天川村 公式ページ

www.vill.tenkawa.nara.jp

 

山間地は過疎化が加速しており小学校の廃校は珍しくないとはいえ、和田地区の場合は鉱山のおかげで一度は大きく発展し、鉱山と共に次第に衰退した歴史を持つ場所です。

かつての鉱山事業は公害や環境破壊、労働問題が伴うことが多く、現代の視点では良い面ばかりを語ることはできません。しかし地域の人たちは地元を発展させてくれた五代に恩を感じ、木造校舎を保存して「五代友厚図書館」も設けるなど、かつてを知るお年寄りが減る中でその歴史を語り継ごうとしています。天川村での鉱山事業は、地域にとって五代の功績なのですね。

 

清峰に囲まれた吉野の山奥で、五代友厚の足跡の一端と地域の人たちの思いに出会えました。